「涙が止まらない…」「なんだこんなに虚しいんだろう」と思うことはないでしょうか。
それは現在よく聞く、うつ病の初期症状かもしれません。
うつ病と同じ症状として、出産後の女性は産後うつというものもあります。
これらの根本的違いと症状、対処法、使えるサービスについてここでは解説していきます。
私自身うつ病を患った体験談もあるのでぜひ読んでいただけるとお力になれると思います
うつ病で涙が止まらない理由
うつ病で涙が止まらない理由は、脳内のセロトニンの問題が心身に生じて感情のコントロールができなくなることにあります。
うつ病の初期症状は、①涙が止まらなくなる②急に泣き出してしまう③ちょっとしたことを言われて涙が出るなどです。
心のバランスが崩れて感情のコントロールはもちろんですが、ひどい場合には何も感じられない状態になってしまいます。
育児うつかどうかチェック
出産後の女性に多い育児うつと一般的なうつの違いは、以下のチェック表を使ってみてください。
現在自分の置かれている状況に近いものがある場合こそ、育児うつと言えるでしょう。
✓頼れる人がいない
✓1日子どもと2人きり
✓児童センターなどの機関に行きづらい
✓片付けても散らかることが虚しい
✓育児が楽しくない
✓子どもがかわいく思えない
あなたはいくつ当てはまったでしょうか。
✓数が多ければ多いほど、産後うつといっても、一般的なうつ病といえます。
育児うつとうつ病の違い
育児うつと一般的なうつのちがいは、原因の根源にあります。
育児うつはホルモンが原因であり、一般的なうつは脳が原因です。
原因は違えど、生じる心身の症状は似ているので、それぞれの症状にあった対処法が必要になります。
まずは共通するうつ病の症状を以下で解説します。
うつ病の初期症状
ここでは育児うつはもちろん、うつ病に共通する心身症状を解説します。
育児うつは時間が経てば改善することもありますが、うつ病はそうとはいい切れません。
ぜひここで発症する症状を理解し、慌てず落ち着いて対処できるようにしたいですね。
具体的なうつ病の初期症状は以下のとおりです。
・涙もろくなる
・気持ちが塞ぐ
・喜怒哀楽が感じられなくなる
・食べられない
・眠れない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
涙もろくなる
うつ病や育児うつになると感情に波が生じ、悲しくもないのに涙が出て止まらなくなることがあります。
また過去のことやネガティブなことに引きずられ感傷的になり、余計に涙が止まらなくなることもあるのです。
普段の生活の中で涙を流すことが増えたと感じるなら、危険信号です。
現在自分の置かれている状況を振り返るようにしましょう。
気持ちが塞ぐ
うつ病とともに育児うつになると、気持ちが内側に引きこもり塞いでいきます。
うつ病は、自身に課せられた課題のキャパシティを超える際に起こりやすいため、仕事や家事、育児など今までのストレスがかかった状態といえるでしょう。
喜怒哀楽が感じられなくなる
うつ病も育児うつも、進行すると喜怒哀楽が感じられなくなるようになります。
中には精神疾患の仲間である双極性障害など感情の振れ幅に大きな波がある方は涙が止まらなくなるほど悲しくなったり、急に理由もなく怒ったりします。
こうなると本人もつらいですが、周囲の方も「いきなりどうした?」となりかねないので、自分の変化に気付けるよう意識しておく必要があるでしょう。
食べられない
うつ病になると、食事が摂れなくなります。
または過食症のように食が進む方もいるので個体別の症状が出ると考えて頂ければ良いでしょう。
産後うつの女性は、比較的食欲が増進する傾向にあるとのことです。
このことは、私が出産入院した際、助産師さんに教えていただきました
眠れない
うつ病、産後うつになると眠りたくても眠れなくなる傾向が強いです。
体は疲れているのに頭がさえている状態。
自律神経の副交感神経と交感神経が同時に活動している状態です。
これはよく車のブレーキとアクセルを同時に踏んでいる状態とたとえられますがまさにその通りで、24時間以上この状態が続きます。
うつ病を克服するための対処法
うつ病と産後うつを克服するには、まず我慢をせず自分の苦痛に感じることから離れることです。
加えて、以下の点を意識しましょう。
・休息をとる
・運動をする
・睡眠をとる
・没頭する
それぞれ以下で詳しく説明します。
休息をとる
うつ病の状態だと、まずここで紹介する克服法が難しい前提でお話しします。
休息をとるのも「このままでいいのか」と焦ってしまい、無理をしてしまう真面目な日本人は、まず考えてしまうことは辞められないので意識的に身体を休めるようにしましょう。
横になってぼんやりと意識を漂わせるだけでも気が楽になります。
運動をする
気力と体力にエネルギーを使えそうな場合は、外に出てウォーキングができるといいでしょう。
もちろん無理は禁物です。
日光の光を浴びることは脳のセロトニンを増やすのに効果的ですが、弱っている状態だと過度に感じてかえってつかれてしまいます。
そんな時は、窓辺でストレッチやヨガをしながら日光を浴びると自己肯定感も保たれます。
睡眠をとる
睡眠は、眠れる時にはまず寝ましょう。
睡眠のサイクルをもとに戻すのはそれからです。
眠れない時は起きていていいんだ、という意識を持っておくと焦らずに済みますよ。
没頭する
ここまでの克服法ができるようになったら、恐らく自分のすきなもの・ことに没頭できるかと思います。
読書が趣味なら、活字を追えるようになっているかもしれませんので試してみてください。
運動が好きなら、普段より足を伸ばして遠くの運動公園に行くのもよいかもしれません。
疲れてしまったら、室内でできる「没頭」を探してみてくださいね。
相談できるひとを仰ぐ
現代でもっとも難しいのが相談できる人を見つけて頼ることです。
うつ病に限らず精神疾患への認知は広がってきましたが、自分自身のことをわかってくれ、助けてくれる人は皆自分のことで忙しく相談しづらいのが現状でしょう。
私もそうです。
ですので、この場合は紙と鉛筆を用意して、1日1日の感情を紙にゆだねましょう。
私はそうして自身の体調管理と気持ちの整理をしました。
涙が出るのは悪いことばかりでない
実際のところ涙が出ることは悪いことではありません。
むしろ、涙が出るうちは出してしまった方がすっきりします。
私は一時期泣きたいはずなのに涙が出なくなり、感情のコントロールが驚くほどできなくなり、仕事はおろか、家事育児もできなくなりました。
子どもにも申し訳ないことを下と思っています。
ですので、涙は心を洗っているところ、と捉えてまずは落ち着きましょう。
そして、この状況を打開するにはどうするべきか考えられる余裕を取り戻すのが先決です。
医療機関の受診も視野に
うつ病の記事で産後うつのことも一緒に記載したのは、うつ病も産後うつも原因は違えど起こる症状は類似しているからです。
これは実際に私自身が経験したことだからです。
もともとうつ病症状があり出産を終え、そして産後うつになり現在も抑うつ症状があります。
このように、長きにわたり病気と共に生きていくならば、医療機関の受診も視野に入れてほしいと思います。
医療機関にかかる前に相談するなら
各自治体に地域包括センターや市役所があると思います。
そこで現状を話し、どのようなサービスが受けられるのかを聞くと安心です。
私の場合はそこまで考えがいたらなく、通院するようになって数か月後に診療費が1割(2024年7月現在)になる自立支援を受けました。
この自立支援は症状によっては早期で受けることが可能なので、心療内科・精神科に行くと決めたら相談するといいでしょう。
ぜひ使えるサービスは使って、自分らしいペースで健康的な生活を送ってほしいと思います。
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